リポーターとレポーターの違いとは

みなさんは、「リポーター」と「レポーター」、それぞれどのように使い分けられているのかご存知ですか?

TVなどで見かける、現場から中継を行なう人のことを「リポーター」と呼ぶのに対し、グルメリポートを行なうことには対しては「食レポ」と言ったり・・・。

また、学校などでは「レポートの提出」と言い、「リポートの提出」とはあまり言いませんよね。

あれ、この場面で使うのは【リポート】だっけ?【レポート】だっけ?という場面に、みなさんもよく遭遇するのではないでしょうか。

一体この2つの言葉に、意味の違いや使いわけの方法はあるのか調べてみました。

意味の違いはある?

結論をお伝えすると、【リポーター】と【レポーター】、この2つの言葉の意味の違いはありません。

ではなぜ、同じ意味で2つの言葉、言い方が存在するのでしょうか。

リポーターもレポーターも、 英語表記では【Reporter】となります。カタカナ表記の場合【リポーター】【レポーター】どちらもあります。

1. 明治時代の「re-」一律カタカナ化ルール

「レポーター」(および根底にある「レポート」)というカタカナ表記の起源は、明治時代(1890年代〜1900年代頃/明治20〜30年代)にまで遡ります。

なぜ英語の/rɪˈpɔːrtər/(音としては「リポーター」に近い)が「レポーター」として定着してしまったのか、歴史的な背景には主に3つの理由があります。

明治時代に西洋の言葉を日本語に導入した際、英語の接頭辞 re- は、発音が /rɪ/(リ)であっても一律で「レ」と転写する慣行が強くありました。

  • record → レコード(×リコード)

  • receipt レシート(×リシート)

  • register レジスター(×リジスター)

  • report / reporter レポート / レポーター(×リポート / リポーター)

最初に翻訳した人物(または当時の英和辞書の編纂者)が、この表記ルールをそのまま適用したことで「レポーター」が誕生しました。

2. ヨーロッパ他言語(ドイツ語・フランス語)の影響

明治期の日本は、英語だけでなくドイツ語やフランス語からも多くの学術・報道用語を取り入れました。

・ドイツ語の Report / Reporter (発音が「レ…」に近い)

・フランス語の reportage(ルポルタージュ)

これらの欧州言語の音が英語の「report」と混ざり合い、「レ」の表記を後押ししたと考えられています。

3. その後の「リポーター」への修正の動き

「本来の発音とズレている」という問題意識は後に公式にも取り上げられるようになり、1990年代頃からNHKをはじめとする公的メディアや新聞社では、英語の発音「rəˈpôrt」rɪˈpɔːrtərにより近い「リポーター」「リポート」を標準表記とするルールへ改訂されました。

ただ、学校で提出する書類は【レポート】と呼ばれています。教育機関では、個人の自由で言葉を自由に変えることはないので、従来の表記がそのまま使われています。「レポート」の表記で育った人たちは、大人になっても「レポート」という言葉を使うので、維持されていると考えられます。

4. イギリスvsアメリカ

イギリスは「rɪˈpɔːrtər」、国際標準(IPA)の表記。イギリス英語や、綺麗に「t」を発音する場合のモデル。

アメリカは「rəˈpôrdər」米系辞書の表記。実際にアメリカ人が「リポーダー」のように崩して話すリアルな発音を反映したモデル。

5. まとめ

学校や職場での報告書や提出書類は【レポート】 

テレビやラジオのインタビューや現場報告は【リポート】【リポーター】 

という区別をされているイメージが定着しているようです。
 
「Reporter」を、英語→カタカナへ変換する際に、時代により揺らぎが生じ「リポーター」や「レポーター」と複数の表記が発生しました。

教育機関では「レポート」という言葉を今でも使うので、普通に考えると、大人になっても「レポート」という言葉を使います。
そのような素地の上に、「英語の発音だとリポーターだよ」という知識が追加される為、混乱が生まれるのではと考察します。
 
「レポート」に関しては、学校で使う言葉なので、文部科学省から指示がないと今後もなかなか変わらないと考えられますが、カタカナは、本来は読みの記号なので、「リポート」という言葉を使っていくのが良いかと考えます。

「リポーター」に関しては、職業名であり、一般社会の言葉なので、本来の英語の発音に近しい「リポーター」で良いかと考えます。